応募メールの確認から、求職者情報の転記、担当者への共有まで──。
採用担当者が日々行う作業は、意外と細かく時間を取られがちです。
株式会社P・A(従業員15名)は、MakeとクラウドBOT、Notion、Slackを組み合わせて採用業務を自動化。
メール対応にかかっていた時間を1日あたり約90分削減し、応募対応のスピードも向上しました。
背景と課題
株式会社P・Aでは、複数の求人媒体を利用していました。
それぞれの応募通知がメールで届くため、次のような課題が発生していました。
- 応募メールを1件ずつ開き、応募URLをクリックして内容を確認
- 採用サイトにログインして求職者情報を確認・コピー
- Notionの「採用管理データベース」に手入力で転記
- Slackでチームに報告
これらをすべて手作業で行っていたため、対応の遅れや入力ミスが起こることもありました。
自動化の概要
そこで導入したのが、Make × クラウドBOT × Notion × Slack を組み合わせた自動化フローです。
エンジニア不要で構築でき、既存のメール運用をほとんど変えずに実現できました。
使用ツール
| カテゴリ | ツール名 | 用途 |
|---|---|---|
| iPaaS | Make | 自動化の全体制御(トリガー・データ連携) |
| RPA | クラウドBOT | 採用サイトへの自動ログイン・情報取得 |
| データ管理 | Notion | 応募者情報のデータベース |
| 通知 | Slack | 担当者への新規応募通知 |
自動化フローの詳細
Step 1:応募メールをMakeで受信
各求人サイトから届く応募メールを、Makeのメール受信トリガーに転送します。
受信をトリガーにフロー①がスタート。
Step 2:URLを抽出しクラウドBOTへ連携
Makeがメール本文から応募詳細ページのURLを抽出。
抽出したURLをクラウドBOTに渡して、RPA処理を実行します。
Step 3:クラウドBOTが情報を取得
クラウドBOTが採用サイトに自動ログインし、求職者の名前・経歴・応募職種などを取得。
完了後、取得データをMakeに返します。
Step 4:クラウドBOT完了をトリガーにMakeフロー②起動
クラウドBOTの処理完了をWebhookで受け取り、Makeの2つ目のフローが起動。
このフローで、取得データをNotionに自動登録します。
Step 5:Notion登録とSlack通知
Notionに新規データが登録されると、MakeがSlackに通知を送信。
担当者はリアルタイムで応募情報を確認できるようになります。
連携イメージ図
導入効果
| 指標 | Before | After | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 処理時間 | 約1時間30分/日 | 約10分/日 | 約88%削減 |
| 入力ミス | 月数件 | 0件 | ミスゼロ |
| 応募対応までの時間 | 平均3時間後 | 即時通知 | スピード大幅改善 |
手作業で転記していた時期が信じられないです。」
— 株式会社P・A 採用担当者 斉藤様
導入時の工夫・ポイント
- RPAのエラーを素早く検知・リカバリできる仕組みを採用
- Notionデータベースのフィールド名を統一し、Make側のマッピングを簡略化
MakeとクラウドBOTの連携をWebhookで分けることで、処理の失敗時に個別再実行できる設計にした点もポイントです。
今後の展開
今後は、採用ステータスの更新や、面接日程の自動調整(Googleカレンダー連携)などにも自動化を拡張予定。
また、Slack通知の内容を整えて、担当職種別にメンション通知を行う仕組みも検討しています。
まとめ
課題: 応募メール対応と転記作業に時間がかかっていた
解決策: Makeで自動トリガーし、クラウドBOTとNotion・Slackを連携
効果: 処理時間88%削減・対応スピード向上・ミスゼロ
このように、iPaaSとRPAの組み合わせにより、採用業務でも「人が確認する部分」以外をほぼ自動化できます。
中小企業でも導入しやすい構成で、人的リソースを採用戦略や面接に集中できる環境を実現しました。
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