「注文メールの対応が遅れてしまう」「入力ミスが多い」──そんな悩みを抱えていた株式会社S様(社名非公開)(従業員10名)。
同社は、iPaaS「Make」 と 業務アプリ「kintone」、そして LINE通知 を組み合わせることで、注文処理を自動化。
結果として、毎日約2時間の作業時間を削減することに成功しました。
この記事では、その具体的な自動化の仕組みと効果をご紹介します。
背景と課題
株式会社S様は、ネットショップでの注文受付から納品までを一貫して行う小売事業者です。
課題となっていたのは、メールで届く注文情報の転記作業でした。
- 1件ずつメールを開いて内容を確認
- kintoneに手入力で登録
- 担当者にLINEで通知
この一連の作業に、1日あたり2〜3時間を費やしていました。
また、手入力ミスや登録漏れも発生し、顧客対応の遅れにつながっていました。
自動化の概要
課題を解決するために導入したのが、Makeを中心とした自動化フローです。
ノーコードで各サービスをつなげられるため、エンジニア不在の同社でも運用できました。
使用ツール
カテゴリ | ツール名 | 用途 |
---|---|---|
iPaaS | Make | 自動化ワークフロー構築 |
データベース | kintone | 注文情報の管理 |
通知 | LINE | 担当者への通知 |
自動化フローの詳細
Step 1:メール受信でトリガー
顧客からの注文メールを受信すると、自動でMakeのメールフックに転送されます。
Step 2:メール本文を解析
Makeがメール本文から、注文者名・商品名・数量・金額を抽出。
正規表現を使って、フォーマットが異なるメールにも対応可能です。
Step 3:kintoneに登録
抽出したデータを、kintoneの「注文管理アプリ」に自動登録。
重複チェックも同時に行い、二重登録を防ぎます。
Step 4:LINE通知
登録が完了すると、担当者グループLINEに自動で通知。
内容(注文者・商品・金額)が即座に共有されるため、対応がスムーズに。
連携イメージ図
導入効果
項目 | Before | After | 改善率 |
---|---|---|---|
処理時間 | 約2時間/日 | 約10分/日 | 約92%削減 |
登録ミス | 月5件 | 0件 | ミスゼロ |
対応スピード | 平均1時間後 | 即時通知 | 顧客満足度向上 |
– 担当者からのコメント
小規模でも“ここまで自動化できる”と実感しました。」
導入時の工夫・ポイント
- 通知の宛先を担当者ごとに分けることで混乱を防止
- メール解析のルールを定期的に更新し、フォーマット変更にも柔軟対応
- テスト環境を作り、本番前に十分検証
MakeはGUIでフローを確認できるため、非エンジニアでも調整が容易でした。
今後の展開
同社では今後、請求書の自動発行や入金確認もMakeで自動化する予定。
さらに、LINE通知の代わりにSlackやChatworkとの連携も検討中です。
まとめ
課題: メール転記に時間と労力がかかっていた
解決策: Makeで自動化し、kintoneとLINEを連携
効果: 処理時間92%削減・ミスゼロ
iPaaSとRPAを組み合わせることで、中小企業でも手軽に自動化が実現可能です。
「うちもできるかも」と思った方は、ぜひ試してみてください。