iPaaSとは。iPaaSの概要と仕組み、できることについて解説

iPaaSとは。iPaaSの概要と仕組み、できることについて解説

iPaaSとは

iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、異なるアプリケーションやサービスを統合し、データやプロセスをスムーズに連携させるためのクラウドベースのプラットフォームです。現代の企業では、多種多様なクラウドサービスやオンプレミスのシステムを使用しており、それぞれが独立して動作しています。このような環境下で、データやワークフローを統一することが求められますが、iPaaSはその解決策として登場しました。アメリカを中心に広がりを見せていましたが、近年日本でも導入が進んできました。

iPaaSは、技術的な専門知識がなくても簡単に使用できるように設計されており、主に次のような特徴があります。

  • ローコードまたはノーコード: プログラミング不要でサービス間連携を構築可能なUIを提供している
  • リアルタイム連携: API連携によるデータの即時同期やトリガーベースのアクションを実現。
  • スケーラビリティ: ビジネスの拡大に合わせた柔軟な対応が可能。

これにより、企業は迅速かつ効率的に複雑なシステム間連携を構築できるようになります。

iPaaSの仕組み

iPaaSは、さまざまなアプリケーションやサービス間でのデータの流れやプロセスを統合するために、以下のような仕組みを提供します。

コネクタ

iPaaSは、クラウドアプリケーション(例: Salesforce、Google Workspace)やオンプレミスのシステム(例: ERP、CRM)と接続するためのコネクタを多数備えています。これにより、特定のシステム間で簡単にデータをやり取りできます。

データ変換とマッピング

異なるシステム間ではデータ形式や構造が異なることが一般的です。iPaaSは、これらのデータを統一するためのマッピング機能やデータ変換機能を備えています。

ワークフローの自動化

ユーザーは、ドラッグ&ドロップの操作で連携プロセスを設計できます。例えば、特定のクラウドアプリケーションでイベントが発生した際に、システムから別のシステムにデータを送信するといった自動化が可能です。

※参考Makeのフロー作成

セキュリティとコンプライアンス

iPaaSは、データの暗号化やユーザー認証、監査ログなどのセキュリティ機能を提供し、業界標準のコンプライアンス規制に対応しています。

リアルタイムおよびバッチ処理

データの連携はリアルタイムで行うことも、スケジュールに基づいてバッチ処理を行うことも可能です。

iPaaSでできる事

iPaaSを利用することで、以下のようなことが可能になります。

システム間の連携

複数のSaaS(Software as a Service)やオンプレミスアプリケーションを連携させることで、業務プロセスの効率化を実現します。

データの一元化

分散したデータを1つのプラットフォームに統合し、事業全体のデータを活用できる環境を構築します。

業務プロセスの自動化

手作業で行っていたデータ入力やファイル送信などの業務を自動化し、効率化を図ります。

リアルタイムインサイトの提供

データ連携によってリアルタイムで情報を取得し、ビジネスの迅速な意思決定を支援します。

開発リソースの削減

高度なプログラミングを必要とせず、スピーディーにシステム間連携を構築できるため、開発コストや時間を大幅に削減できます。

具体的な連携事例

CRMとマーケティングツールの連携

マーケティングツール(例: Marketo、HubSpot)とCRM(例: Salesforce、Dynamics 365)を連携させることで、リード情報をリアルタイムで同期し、営業活動を最適化します。

ERPとeコマースプラットフォームの統合

eコマースサイト(例: Shopify、Magento)での受注情報をERPシステムに自動連携し、在庫管理や配送手続きを効率化します。

カスタマーサポートツールの統合

ZendeskやFreshdeskといったサポートツールを他のシステムと統合し、顧客情報を一元化してサポート対応を迅速化します。

データ分析基盤との連携

複数のデータソースからデータを抽出し、BIツール(例: Tableau、Power BI)に統合して、リアルタイムのデータ分析を実現します。

人事システムと勤怠管理の統合

HRシステム(例: Workday)と勤怠管理ツールを連携し、従業員データを自動で同期させることで、給与計算や勤怠管理の精度を向上させます。

まとめ

iPaaSは、複雑化する企業システムを効率よく連携し、業務プロセスを最適化するための強力なツールです。その仕組みを活用すれば、システム間の壁を越えたデータ統合やプロセス自動化が可能となり、ビジネスの成長を支援します。企業がデジタルトランスフォーメーションを進める中で、iPaaSは欠かせない存在となるでしょう。

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